交際巡る裁判が動機か 被害女性と男の間で数回
2018/03/18 17:42配信のANNニュースから。
映像ニュースのリンクはこちら。http://5.tvasahi.jp/000123155?a=news&b=nss
東京多摩市で26歳の女性を刃物で殺害(首を切りつけた)したとして29歳の男が逮捕された事件です。
報道によりますと、
・被害女性は、この3年間で数回、この男に対する(交際を巡る)裁判を起こしていたそうで、
・調べに対し、男は、「数日後に判決がでる裁判を取下げてほしかった」と供述している。
とのことです。
裁判の中身がどのようなものだったのか、気になります。
接近禁止や慰謝料の支払いなどを求めるものだったのか、それとは関係なく、貸金の返還を求めるようなものだったのか。
いずれにせよ被害女性は男との交際を経て、この男を訴えざるを得なくなるほどの事情が生じていたということになります。
で、その結果といっていいものか、悩むところですが、この女性はこの男に殺されてしまった。
弁護士としても、とても考えさせる事件です。
交際相手に一方的に非があるような事案であったとしても、裁判を起こすことで、火に油を注ぐことになりかねない。
理屈や道理が通じない相手には、何を言っても、どんな手段をとっても無駄で、逆に、こちらに殺意を向けてくることすらある。
どうするべきか。
闘うべきか、逃げるべきか。
報復を恐れて何もしなければ、あちらからの攻撃がとまらない。
かといって、こちらからの反撃をすれば、より一層の攻撃が起こりうる。
どうするべきか。
悩み抜いた末、法的措置をとることを決断した。
そして殺されてしまった。
被害女性が本当にかわいそうだ。
私もいつも悩みます。
この種のご相談を受けた時、受けた被害の弁償や回復やこれ以上の攻撃の停止を求めて、当然の主張を、当然の法的措置をとっていくことが、とんでもない悲劇につながる可能性のことを。
こういうときは法的措置にでても大丈夫。
こういうときは法的措置もあきらめるべき。
そんなわかりやすい基準はみつかりません。
本当にどうすればよいのだろう。
このケースの場合、どうすればよかったのだろう。
取下げに応じたからといって、相手がそれで攻撃をやめるとも限りません。
今も明確な答えはありません。
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